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メキシコの変な酒を飲む

こんにちは。営業の横山でございます。

10月に入り、朝夕はずいぶんと涼しくなってきましたね。
このぐらいの気候がずっと続けば快適で最高なのに……。

少し前、大須の酒屋で大変に面白い酒を購入しましたので、今回はそちらをご紹介したいと思います。
それがこちら。

そう、みんな大好き、「RAICILLA LA VENENOSA Costa de Jalisco」!
……いや、知らんわ!笑。

こちらは「ライシージャ」というメキシコの伝統的なお酒。
ざっくりいえばテキーラの仲間みたいなものらしいです。

大須商店街にある「金右衛門」という酒屋さんで購入しました。
ここは日本全国でもとても珍しい、「メキシコの蒸留酒」だけを扱う専門店です。
その尖り方、個人的に大好きです。

普段飲み慣れていない異国のお酒ですから、知らないことがたくさんです。
試飲をしたときに親切な店員さんが色々と教えてくれました。
以下、店員さんの受け売りで、ざっくりとお酒の説明を申し上げます。

(試飲の様子)

メキシコの蒸留酒は総じて「アガベ」というリュウゼツラン属の植物(多肉植物の一種。アロエみたいなもの)を発酵・蒸留してつくります。
作られた場所や製法によって、「テキーラ」「メスカル」「ソトル」「ライシージャ」などと、名前が変わります(「薩摩焼酎」「泡盛」みたいな感じですかね)。

中でもライシージャは「ハリスコ州」で作られる地酒のようなもので、今なお機械をほとんど使わず、昔ながらの手作業で作るそうです。
店員さん曰く、野生の原料を採取し、地面に手で穴を掘り、火を放ち、野焼きし、棍棒で叩き潰し、土瓶に詰めて作るとのこと。

ほんまかいなと思うでしょうが、本当です。

生産規模もとても小さく、10~15人くらいの家族経営の生産者がほとんど。
「鈴木さんの酒」とか「佐藤さんの蔵」とか、そういうレベルだそうです。

アナログすぎる製造法がゆえに、蔵元によって全く味が違ってきます。
店員さん曰く、たまたま裏庭の土に乳酸菌がいたので酸っぱくなったとか、海に近いところだから潮風にあたってしょっぱいとか。

ほんまかいなと思うでしょうが、本当です。

同じ理由で、同一の生産者でも年によって度数や味にだいぶばらつきがあります。
実際、僕が購入したボトルは度数47度。同じ銘柄の試飲用ボトルは43度でした。
(思いっきり手書きです)

そんなに違っていいのか。誤差とかいう範囲じゃないぞ。

情報化・機械化・均一化の時代において、これはとんでもないことです。
地酒ともクラフトビールとも違う、まさに一期一会のお酒。
一周回って新しいとさえ思えてきます。

まとめると、とにかく非常に個性が強いお酒という事です。
なのでライシージャと一口に言っても、その実中身はてんでんバラバラ。

いくつか試飲させていただき、一番気に入ったのがこのボトルだったというわけです。
少し高額でしたが、あまりに美味しかったので即決してしまいました。

このRAICILLA LA VENENOSA……めんどくさいので「緑」と呼びましょう。
緑の特筆すべき点はなんといってもその尋常ならざる煙くささ。
Ardbeg、Bowmoreなどスモーキーといわれるウイスキーが大好きなので、とても気に入りました。

ストレートでいただきます。
口に含んだ瞬間はほんのり甘くてさわやかな感じがします。口あたりもなめらか。
間髪入れずに前述の煙の風味が口いっぱいに充満します。目がシパシパします。
その激しさはさながら、口の中に炭火を放り込まれたかのよう。

追うように立ち昇ってくる後味は、漢方薬っぽい複雑な香りと、キリリと鮮烈な苦みが余韻を残します。
アルコール度数もそれなりにあるので、飲みごたえも申し分なし。
喉が焼けるようなあの感じは蒸留酒の醍醐味ですね。最高。

飾らない言い方をすれば、ややこしい味のする酒です。
好き嫌いがものすごく分かれそうな味ですが、お酒好きの方にはぜひ試していただきたいです。

大須商店街、ふれあい広場(巨大招き猫)から徒歩2分くらい。
アガベ・スピリッツ専門店「酒商金右衛門」にて購入できます。
ご縁があればぜひお買い求めください。
(誓ってステルスマーケティングではございません。)

これも文化の秋、芸術の秋の一環と言えるかもしれません。大事に少しずつ楽しむつもりです。

今回は以上です。ありがとうございました。

 

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